洋書を読むときのノートのとり方
洋書を読むときのノートのとり方
前回までに、洋書を読むための準備からスキタリング、スーパーリーディングまで一通りフォトリーディングを使った洋書の読み方をお話してきました。今回はこれらの作業を行いながら記録していくノートの書き方にフォーカスしてお話します。
和書でも同じですが、洋書を読む場合は特に、内容をノートに整理しながら読むと、本の理解が深まります。さらに英語の学習という側面から見ても効果的です。
また、和書と違い、洋書はすべてを理解しながら読み進めることが難しいため、読書の満足感が薄いことが多いものです。その場合にも、読みながら、または読んだ後にそこで得た知識をノートにまとめておくことは、モチベーションを上げ、次の洋書を読むためのステップにもなります。
私が2ヶ月に一度主催している「英語が使える!洋書が読める!2日間セミナー」でも、洋書を実際に読みながら、内容をマインドマップの形式で一人一人がまとめ、クラス全員で1つのマインドマップを作り上げます。こうすることで知識を共有することはもちろん、洋書を読んだ、という充実感も生まれます。
あなたも、もし同じ洋書をパートナーや友人と一緒に読む機会があれば、マインドマップを持ち寄って、知識を共有することもできますよね。
さて、洋書を読む場合に私がオススメするマインドマップは2種類です。
1.Contents Map
2.Vocabulary Tree
最初の「Contents Map」は、洋書のアウトライン、既知の知識、読みながらの気付きなどを記録していくマインドマップです。2回目のニュースレターで、少し解説しました。覚えていますか?
2番目の「Vocabulary Tree」は単語に特化して、あなたの語彙を増やすためのマインドマップです。
次回は、これらのマインドマップの作り方を実践で解説します。お楽しみに。
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洋書のスキタリングとラピッドリーディング
洋書のスキタリングとラピッドリーディング
さて、前回までにフォトリーディング、スーパーリーディング、ディッピングと進んできました。今回は洋書を読むための、最終段階に入ります。
洋書、とくにビジネス分野などのノンフィクションは、かなりの確率でその構成が似ています。構成とは、著者の言いたいことと、それを補足するための説明や実例などを書く順序のことです。そういった意味では、洋書を読む場合、スキタリングは強力なツールとなります。
洋書を読む場合のスキタリングは、下記のように進めると効果的です。
・その洋書を読む目的を考えながら、読むべき章を決めます。
・タイトルに続き、一番目の段落を読みます。
(この時もわからない単語はわからないままにしておきます)
・次の段落の一行目の文章を読みます。
(この一行目の文章をトピックセンテンス Topic Sentenceと言います)
・気になる単語を探しながら、その段落内の単語に、ランダムに目を通します。
・その次の段落に移り一行目を読みます。これを繰り返します。
・最後の段落を読みます。
この方法は本当に効果的です。これからお話しするのは私の大学時代の体験です。
私は法律を専攻していて、弁護士を目指していました。
この分野はご承知のとおり、非常に多くの専門書を読まなくてはいけません。
私の大学には「リーディング」という教科があったほどです。
そして、このリーディングの授業で教えてもらったのが、このスキタリングでした。
教えてもらったのは...
本(洋書)の構成は、各章(チャプター)の第一段落にその章のイントロダクションが有り、最後の段落にコンクルージョン(結論)がある。
各段落で説明していることの要約は、各段落の初めの文章にある。
この部分を読めば、著者の言いたいことの80%を掴むことができる。
そう、まさにスキタリングそのものです。
この授業のおかげで、私は無事に弁護士になることができました。
そして、この方法は洋書を読みたい日本のフォトリーダーにとっても良い方法です。
すべての単語に目を通すラピッドリーディングは、わからない単語の連続になりがちです。
フラストレーションも増えていく訳です。スキタリングなら、目を通す単語は少なくてすみます。もし、あなたがまだ語彙にそれほど自信がないのなら、スキタリングをオススメします。
あなたが、この章はもっと深く理解すべきだ、と感じたらラピッドリーディングに挑戦するのもいいでしょう。
ラピッドリーディングは、指でスピードをキープしながら読んでいきます。この時もわからない単語はわからないままにしておきます。
この段階では、本を読むための集中モードを維持することが大切です。
洋書をスーパーリーディングしてみましょう
洋書のスーパーリーディング
まずは、あなたの選んだ洋書の初めから終わりまでを、指を使いながらスーパーリーディングしてみましょう。
日本語の本と違い、洋書は横書きですから、スーパーリーディングはページの上中央から真下へ、すぅーっと人差し指を降ろしていきます。
事前に決めておいた目的を、もう一度頭に入れてから、スーパーリーディングを始めましょう。途中、「何か気になる」「重要そうだな」と感じる部分では、ディッピングに切り替えます。
洋書のディッピングは、指が水平に動いていきます。
日本語の本と同じように、各章のタイトルや、見出し、太文字、箇条書き、罫線に囲まれた部分などもディッピングしていきましょう。
スーパーリーディングでも、ディッピングでも、止まらず、最後まで行います。わからない単語が出てきても問題ありません。見るだけでいいのです。
終わったら、読んだ内容を考えてみましょう。
大切なことは、『推測』することです。
このニュースレターの第1回目を覚えていますか?
わからない単語は推測する、というお話をしました。
ここでも同様に、スーパーリーディングで得た情報を元に、ゲームのつもりで大胆に推測してみましょう。
ここでは、あまり具体的に洋書の内容を考える必要はありません。その洋書にfamiliar、つまり親しみを感じることができれば、あとの行程がスムーズになります。
洋書の具体的な内容については、次回以降、スキタリングやラピッドリーディングを使って少しずつ理解していましょう。それではまた次回、お会いしましょう。
英語のチャントとアファメーション
前回は、英語でのアファメーションのしかたをお話しました。
英語でアファメーションすることで、洋書を読む前の自分の脳を、洋書フォトリーディングのモードに入れやすくする為です。
今回は、チャントと締めくくりのアファメーションを英語で覚えてみましょう。
まずはチャントです。日本語では・・・
リーラックス、リーラックス
4、3、2、1
リーラックス、リーラックス
ペースを、保って、ページを、見ましょう
ですね。
英語ではこうなります。
Re-lax...Re-lax...
Four-Three-Two-One
Re-lax...Re-lax
Keep the state...See the page
※state は、集中している状態(日本語とは少し違うんですね)
リズムは一緒ですね。英語も簡単なものです。徐々に慣れていきましょう。
日本語では・・・
私は、この経験から来るすべての感覚を認め、
その処理を、インナーマインドに任せます。
私は、この情報がさまざまな方法で私の役に立つことを知りたい。
ですね。
英語ではこのように言います。
-
- I acknowledge the feelings I have received from this book
-
- I release the information for my body and mind to process
-
- I am curious as to how many ways my mind and body can demonstrate that this information is available to me
英語でのアファメーションやチャントを覚えるだけでもちょっとした英語の勉強になりますね。ちょっと話がはずれますが、このように何かを英語で学ぶ、という方法はとても効率の良い英語学習の方法です。
日本語で一度学習した経験があり、頭の中にその事が残っていると英語で学習したときに、わかりやすいですし、記憶にも残りやすいものです。
みなさんが洋書を選ぶときにも、日本語での知識がたくさんある、みなさんの得意な分野を選ぶと楽しく読めると思いますよ。それでは、また次回お会いしましょう。
洋書をフォトリーディングする
前回までに、洋書の概要を把握して、洋書を読む目的を決める、という作業のお話をしました。今回は、いよいよフォトリーディングです。
の中で、神田昌典氏は英語の本を上下逆さまにして、フォトリーディングをすること を薦めています。
この方法の良いポイントは、洋書でも和書と同じ開き方でフォトリーディングができる点です。みなさんも、慣れた動作の方がフォトリーディングしやすいですよね。
さて、フォトリーディングのやり方は、和書でも、洋書でもほとんど同じです。高速学習モードに入り、ペースを守って、ページをめくっていきます。
ここで、洋書を読む場合のアファメーション、チャントについて考えてみましょう。私は、洋書を読む場合、英語でのアファメーションをオススメします。
これは自分の脳に「これから英語の情報を送りますよ。うまく処理してくださいね」というサインとなります。このサインが習慣化すれば、英語での高速学習モードの準備が素早くできるはずです。
和書を読む場合の事前のアファメーションは、
・フォトリーディングの最中、私は完全に集中している。
・フォトリーディングした情報はすべて、私の意識化にいつまでも残り、私の役に立つ。
・私は○○を達成するために、この本の中の情報を得たい
英語でのアファメーションは...
-
- As I PhotoRead, my concentration is absolute.
-
- All that I PhotoRead makes a lasting impression on my inner mind and is available to me.
-
- I desire the information in this book, (title), to accomplish my purpose of (say purpose here).
となります。
もちろん、日本語でのアファメーションに慣れていれば、日本語でもいいでしょう。もし、違和感が無ければ英語と日本語のアファメーションを併用しながら、徐々になれて行きましょう。次回は、英語でのチャントと、締めくくりのアファメーションについてお話します。
準備をしよう〜2
今回は、「目的を設定する」、お話をします。
みなさんが洋書を選ぶとき、何らかの理由があるはずです。
新しいビジネスアイデアを見つけたい、最新のビジネス理論を吸収したい、専門分野の知識を深めたい、といった漠然とした理由で、洋書を手に取るはずです。
あるいは、お気に入りの著者のシリーズということで手に取るかもしれません。
次のステップでは、より具体的に、洋書を読む目的を考えて見ましょう。
この作業をすることで、効率的に洋書が読めるだけでなく、洋書を読み進めるモチベーションを固めることができます。
言う間でもなく、洋書を読む、ということは日本語の本を読むよりも手間のかかる作業です。きっちりとした目的がないと、途中で読むのが面倒になり、やめてしまいがちです。ですから、最初に具体的な目的を自分自身に確認しておくことが大切なのです。
さて、2回目のニュースレターでご紹介したとおり、まずは手に取った洋書の「アウトライン」=概略を把握します。
この時にマインド・マップを利用すると有効だ、というお話をしました。
この作業の中で、あなたが選んだ洋書の中身がある程度イメージできたはずです。
そのイメージをもとに、次の質問を自分自身にしてみましょう。
「私はこの本から何を手に入れようかな?」
なるべく具体的でカンタンな目的をいくつか書き出すと良いでしょう。
例えば、
「〜の分野で、自分の知っている知識と同じ事を言っている部分を3つ以上みつける」
「〜の分野で、自分の知らない知識を5つ以上見つける」
「自分のビジネスに活かせるヒントを3つ以上見つける」というような目的でOKです。
目的を決めたら、これもマインドマップにしてみましょう。
新しい紙を用意して、真ん中に洋書のタイトルを書きます。
その周りに、今決めた目的を書いておきます。
洋書を読んでいる最中に、何か見つけたら、すぐにここに書き込んでいきましょう。
目的を決めることで、意外と多くの発見をすることができるはずです。
単語力がないと洋書は読めない?
「語彙が足りないから、私は洋書が読めない」と思ったことはありませんか?
実は、ネイティブ・スピーカーが本を読む時、通常、全体の60%〜80%をしか理解していない、という調査の結果があります。
つまり、日本人の私たちが、内容を一字一句、100%理解する必要は、まったくないと言うことです。リラックスして、まずは知っている単語を探してみましょう。
☆わからない単語がでてきたらどうする?
洋書を読むと、すぐにわからない単語が出てきます。
そんな時、あなたならどうしますか。
A.分からない言葉を無視して読み進める
B.だいたいの意味を予想してみる
C.辞書を引く
一番のお薦めは、B.です。
新しい単語全てに対して辞書を引くのはお薦めできません。辞書を引くことで、思考が中断してしまう、読むのが遅くなり、全体的な意味を捉えにくくなるからです。
新しい単語の意味ばかりにとらわれると、読んでいる内容についての思考がストップし、すでに読んだ内容を忘れがちになるのです。
多くの場合、文脈からその単語の意味を予想できます。
その答えに自信がなかったとしても、読み進めましょう。読み終えて、それでも意味のわからない単語があり、調べる必要があると感じるときに辞書を引くとよいでしょう。
余談ですが、洋書の全単語のうち、重要な意味合いを持つ単語は4〜11%にすぎない、という結果もあります。ほとんどの場合、その単語をとばして読み進めても支障はない、ということを忘れないでください。